調剤薬局がM&Aに踏み切る場合、当然買い手企業に自院を選んでもらう必要があります。
また、買い手企業は買収する調剤薬局を見極めるために、さまざまな“デューデリジェンス(買収審査)”を行います。
ここからは、調剤薬局のM&Aで実施される、買い手企業によるデューデリジェンスの種類を見ていきましょう。

①人事デューデリジェンス

調剤薬局のM&Aで実施されるデューデリジェンスには、まず“人事デューデリジェンス”が挙げられます。
これは、人事考課・昇進制度や報酬体系、退職制度など、調剤薬局における人材面でのコストやリスクを洗い出し、その後運営や人事制度の統合などを行う上でのポイントを調査することをいいます。
また、役員が担う事業に対するウエイトが大きい調剤薬局であればあるほど、買い手企業にとって人事デューデリジェンスは大事な調査となります。

②環境デューデリジェンス

調剤薬局のM&Aで実施されるデューデリジェンスには、“環境デューデリジェンス”も挙げられます。
これは、調剤薬局が保有する不動産の建物環境リスク、土地環境リスクなど、各種環境問題を調査することをいいます。
“不動産デューデリジェンス”と呼ばれることもありますね。
具体的には、買い手企業によって対象調剤薬局の不動産の分析、権利関係に関する調査、鑑定評価などが行われます。

③事業デューデリジェンス

調剤薬局のM&Aで行われるデューデリジェンスには、“事業デューデリジェンス”も挙げられます。
これは、買収対象となる調剤薬局が、市場においてどのようなポジションにあるのか、またはM&Aを実施することで、どのようなシナジー効果が生まれるのかといった調査を指しています。
ちなみに、シナジー効果とは、複数の企業が連携することによって生み出される“相乗効果”のことをいいます。

④財務デューデリジェンス

“財務デューデリジェンス”も、調剤薬局のM&Aで実施されるデューデリジェンスの1つです。
調剤薬局の資産状況、財務的な取引の状況などに関する調査ですね。
具体的には、土地や株式はどれくらい持っているのか、債権はどれくらいあるのか、従業員に対する賞与、退職金などの状況はどうなっているのかについて、買い手企業がリサーチします。

まとめ

ここまで、調剤薬局のM&Aにおいて、買い手企業が実施するデューデリジェンスの種類について解説してきました。
「経営が苦しい」「後継者がいない」という簡単な理由で、M&Aに踏み切ろうと考えるオーナーもいるかもしれません。
しかし、買い手企業は調剤薬局のさまざまな部分について、デューデリジェンスを実施するため、条件が悪ければなかなか選んでもらうのは難しくなります。