調剤薬局のM&Aにおける譲渡価格は、その薬局の営業権、時価純資産価額、月の技術料、処方箋応需枚数などを考慮して決定されます。
今回は、調剤薬局のM&Aを検討しているオーナーに向けて、上記の中から“営業権”にスポットを当てて解説したいと思います。
必ず役に立つと思いますので、ぜひ参考にしてください。

営業権の概要

営業権(営業権価格)とは、その調剤薬局における“利益を上げる力”のことをいいます。
“のれん”や“ブランド”と呼ばれたりもしますね。
例えば、同じような規模・経営年数の調剤薬局が2つあった場合、患者には「有名な薬局が提供するサービスの方が安心できる」という心理が働きます。
つまり、調剤薬局が有名であればあるほど、他の薬局に比べて営業権は優れているというわけですね。
また、調剤薬局のM&Aにおける買い手企業は、当然営業権に優れている調剤薬局を買収したいと考えます。

営業権の算出方法

調剤薬局の営業権は、売上総利益から物件の賃料、人件費などを差し引いた営業利益から、今後の伸びしろやリスクなどを考慮して、今後5年間の経営状況を予測した上で算出されます。
また、営業権は大体営業利益の3~5年分が相場とされています。
例えば、月に70万円の営業利益を出している調剤薬局であれば、2,500~4,200万円程度ですね。

M&Aを考えているオーナーは現時点での営業権を把握しておこう

今すぐする気がない場合でも、今後の選択肢として調剤薬局のM&Aが頭に浮かんでいるのであれば、オーナーは現時点での営業権を把握しておきましょう。
なぜなら、現時点での営業権を把握し、今後それが上昇するかが下落するかをシミュレーションすることで、いつまでに譲渡すべきかを明確にできるからです。
また、営業権を事前にシミュレーションすれば、オーナーが想定していたよりも低いということに気づく可能性もあります。
もちろん、現時点で営業権が優れていなくても、あまり良い状況でないことが理解できれば、今後のM&Aに向けて努力するためのモチベーションとなります。
もし、より正確な営業権を把握したいのであれば、1度M&A専門のコンサルタントに相談することをおすすめします。

まとめ

今回は、調剤薬局のM&Aを考えるオーナーに向けて、営業権について解説してきました。
もちろん、オーナーが事前にシミュレーションした営業権と、M&Aにおける買い手企業が算出した営業権には、差異が生まれることもあります。
ただ、そこまで大きく乖離することは考えにくいため、少しでも調剤薬局の今後を考えるのであれば、あらかじめシミュレーションしておきましょう。