調剤薬局のM&Aを失敗させない方法を学ぶにあたって、これまで実際に起こった失敗の事例を知ることはとても効果的です。
今回は、調剤薬局のM&Aにおける失敗事例をいくつか紹介します。
またそれと併せて、どうすれば失敗を防ぐことができたのかも解説していきます。

調剤薬局のM&Aにおける失敗事例①Aさんのケース

調剤薬局のオーナーであるAさんは自身が経営する調剤薬局の将来に不安を感じ、M&Aによって売却することを決めました。
交渉も大詰めに差しかかかっていましたが、ふと内部資料を確認すると、自分が出資比率の2/3以上の自社株を保有していないことが判明してしまいます。
その後、調剤薬局の経営に参画していない他の株主に売却を反対され、結局M&Aによる売却は失敗に終わりました。
このケースでは、Aさんが自身の権利を把握していなかったことが、M&Aの失敗に繋がっています。
調剤薬局をM&Aで売却する手続きをスタートさせる前に、自分にM&Aを進める権利があるのかどうかは必ず確認しておかなければいけません。

調剤薬局のM&Aにおける失敗事例②Bさんのケース

Bさんは調剤薬局のオーナーで、自身の息子に事業承継をしようと考えていました。
ただ息子に調剤薬局のオーナーになる意思がなかったため、Bさんは知り合いの薬局オーナーに相談します。
すると知り合いの薬局オーナーが、Bさんの調剤薬局を買い取ってくれることになり、Bさんはそれに合意しました。
ただ売却の直前になって、Bさんは買い手の薬局オーナーから、“売却対価を分割払いにしてほしい”と打診されます。
知人でもあり、自身の調剤薬局を救ってくれた人物でもある薬局オーナー頼みを無下にできず、Bさんはそれを了承してしまいました。
すると売却後、従業員がことごとく退職するといったトラブルが発生してしまい、Bさんはさらに薬局オーナーから分割払いの減額を要求されることになってしまいます。
結局Bさんと薬局オーナーは知り合い同士にも関わらず、売却対価の支払いで長期間揉める結果となってしまいました。
このケースでは、調剤薬局のオーナーであるBさんが、知り合い相手だからと言ってきっちりと契約内容を定めていなかったこと、また気を遣ってしまったことがM&Aの失敗に繋がっています。
例え買い手が顔見知りであっても、売却後のトラブルを避けるためには遠慮せず、売却に関する条件を提示しましょう。

まとめ

調剤薬局のM&Aを失敗させないためには、失敗事例とその失敗を防ぐための方法を、できる限り知っておくべきです。
今回紹介した事例のように、調剤薬局のM&Aにおける失敗の原因は、ほとんどが準備不足やオーナーの迷い・手抜きなどです。
失敗させないという強い信念を持ってM&Aを決断することが、もっとも失敗を減らせる方法とも言えるでしょう。