調剤薬局では、経営が苦しくなり赤字が出てしまう事による倒産以外に“黒字倒産”という形で倒産を余儀なくされる場合があります。
初めて聞く方は理解しにくいと思うので、今回は調剤薬局の黒字倒産について、またその防ぎ方について解説します。

調剤薬局の“黒字倒産”の概要

調剤薬局では、損益を計算すれば利益が上回っているにも関わらず、実際は支出の方が多くなるという現象が起きてしまいます。
この状態が続き、経営が困難になってしまう事を黒字倒産と言います。
分かりやすく、少し極端な例で解説しましょう。
例えば、自分が経営する調剤薬局の銀行口座に、1円も残高が残っていない状態だとします。
ある月の調剤報酬500万円が銀行口座に振り込まれ、500万円の内120万円が技術料だとしましょう。
もし毎月の人件費、賃料等が100万円かかるとしても技術料が120万円振り込まれているので、この時点では黒字経営という事になります。
ただそれプラス、薬剤の購入金額が毎月450万円かかるとすると、収支はマイナスとなり薬剤の購入金額は支払えません。
薬剤の購入金額を卸業者に支払えなくなる状態(不渡り)が6ヶ月の間に2回発生した調剤薬局は、実質倒産した事になります。
しかも1回でも不渡りの状態が発生してしまうと、業者はその調剤薬局に薬を卸してくれなくなる可能性が高いです。
つまり損益を計算すれば黒字経営にも関わらず、毎月の支出をカバーしきれなくなって倒産するのが“黒字倒産”という事です。

調剤薬局の黒字倒産を防ぐ方法とは?

調剤薬局の黒字倒産を防ぐには、調剤薬局におけるキャッシュフローの見直しが必要でしょう。
調剤薬局の調剤報酬は、薬剤を処方する事で得られる“薬剤料”が大半を占めています。
そして報酬だけでなく、支払いで1番多いのも“薬剤の購入費”です。
つまり調剤薬局のキャッシュフローの見直しとは、毎月の薬の処方価格、薬の購入価格を徹底的に見直す事と言えるのです。
毎月の技術料については把握していても、薬の処方価格は細かく把握していないというケースは意外と多いです。
薬剤料は調剤報酬の8割近くを占める事もあるので、処方価格を見直す事で、蓄えがない調剤薬局でも黒字倒産を防ぐ事が出来ます。
また薬の購入価格も、複数の卸業者から購入している場合はしっかり把握出来ていない可能性があります。
薬を購入した後、卸業者に購入金額を支払うのは2~3ヶ月後というケースが多いので、先を見越したキャッシュフローを心掛けなくてはいけません。

まとめ

調剤薬局の黒字倒産を極力防ぐ事は出来ますが、年々調剤薬局が倒産するケースは増加しています。
もしどうしても経営が上手く行かないという状況であれば、M&Aによって事業の再編を図る事も検討してみましょう。