調剤薬局の事業承継は、親族内承継や従業員への承継、また後継者不足の場合はM&Aなど状況に合せて様々な選択肢から選べます。
ただ事業承継の方法を問わず、トラブルは付き物です。
今回は事業承継のケース別に、発生しやすいトラブルと対策方法を考えていきましょう。

調剤薬局の事業承継におけるトラブルと対策方法①後継者関連のトラブル

事業承継の方法が親族内承継であっても従業員への承継であっても、他の従業員や取引先に理解してもらうという事は非常に重要です。
経営者は後継者を様々な場所に同行させて挨拶をしたり、職場で経験を積ませたりする事で、少しずつ周囲に理解してもらえるように努力します。
ただ経営者が後継者として指定した人材を教育していたとしても、周囲の従業員が反発するというケースはよくあります。
このトラブルへの対策は、出来る限り後継者を早く決定し、周囲を納得させられる程の実力を身に付けさせるしかないのです。
後継者の早期決定・教育は、経営者が急に亡くなった場合等でも、対応出来る可能性が上がるので、損をする事はありません。
それでもなかなか周囲の理解を得られないという場合は、後継者とは別に後継者の“補佐”の役割を担う人物も指名しておくべきでしょう。
従業員の中でも実力と信頼がある人物を補佐役に指名しておけば、周囲の信頼をアップさせられる可能性が高いです。

調剤薬局の事業承継におけるトラブルと対策方法②資産に関するトラブル

規模が比較的小さい調剤薬局の事業承継の場合、その調剤薬局における資産と負債、経営者における資産と負債の線引きが分かりにくいという場合があります。
例えば調剤薬局を運営する為の資金として、経営者の個人的な資産を使用している場合等が挙げられます。
親族内承継であれば大きなトラブルには発展しにくいと言えますが、従業員への事業承継であれば、必ずこの線引きはハッキリしておかなくてはいけません。
場合によっては調剤薬局の資産ではなく、経営者自身の資産を誤って従業員に承継してしまう事になるかも知れません。
そもそも親族内承継だからと言って、調剤薬局の資産と負債、経営者の資産と負債の線引きを曖昧にしていいという訳ではありませんので、注意しましょう。

調剤薬局の事業承継におけるトラブルと対策方法③知的財産に関するトラブル

知的財産とは、調剤薬局が長年の経験で作り上げてきたノウハウや、経営者の頭の中にある情報等を指す言葉です。
知的財産は目に見えないものなので、事業承継で上手く後継者に伝えるのが難しいと言われています。
知的財産が上手く承継出来ない事で、これまで順調だった調剤薬局の経営が傾き、後継者が責任を問われるというケースも考えられます。
このようなトラブルを回避する方法として、知的財産の“見える化”が挙げられます。
知的財産を書面やデータでまとめる等、目に見える状態にする事で、上手く伝わらないというトラブルを防ぐ事が出来ます。