調剤薬局業界だけに限らず、事業承継をする際には贈与税、相続税という税金が発生します。
日本の企業の9割以上が中小企業の現代において、これらの税金を支払う事は決して楽な事ではありません。
その負担を抑えるために施行されたのが、「事業承継税制」です。
詳細を確認してみましょう。

事業承継の贈与税・相続税が免除される事業承継税制の概要

事業承継税制は条件をクリアする事で適用され、企業の株式等を取得する際に課税される贈与税・相続税が免除される制度です。
事業承継における後継者が、現オーナーから相続、生前贈与によって株式を取得するとします。
その後企業を経営していく場合、本来納めなくてはいけない相続税、贈与税を支払う必要がなくなります。
事業承継を考えている調剤薬局にとって、使わない手はない制度だと言えるでしょう。

事業承継の贈与税・相続税が免除される事業承継税制の適用条件

適用条件には、大きく分けて適用される「人」、「企業」という2種類の条件があります。
まずは「人」の適用条件から解説しましょう。
事業承継税制が適用されるには、現オーナーが企業の代表者であり、筆頭株主でなくてはいけません。
また事業承継によって後継者となる人物は、その企業の代表者、筆頭株主になる必要があります。
続いて、「企業」が満たすべき適用条件を見てみましょう。
事業承継税制が適用される企業は、「中小企業」の定義に該当する企業でなくてはいけません。
従業員数と資本金の額で中小企業かどうか判断されるので、資本金を減らせば従業員数の基準を満たしていなくても、中小企業として認められます。
ただ中小企業として認められたとしても、後継者が経営を開始してから守るべきルールがあります。
このルールは事業承継における後継者が経営を開始してから、5年間守らなくてはいけません。
まず1つは、5年間後継者が企業の代表者で居続ける事です。
また後継者による株式の保有も、経営開始から5年間継続する必要があります。
そして1番難しいと言える条件は、会社の「従業員割合」です。
後継者が経営をスタートさせてから5年間、従業員割合の8割をキープしなくてはいけません。
事業承継税制は、この従業員割合の条件をクリア出来ると感じる中小企業が少なかった為に、思いの外普及しませんでした。
ただもし上記の条件を満たしていない場合でも、経営状況の悪化等、正当な理由を企業が説明出来る場合は、即刻打ち切りとはなりません。
2018年1月1日にこの打ち切りの猶予が追加されて以来、調剤薬局を含む中小企業において、徐々に事業承継税制活用の輪が広がっています。