事業発展を主導する経営者・オーナーは、ある程度の年齢から引退せざるを得なくなります。そこで適切な後継者を探して今後の事業を任せる必要が生じてきますが、なかなか思うように物事が進まないケースが多いです。

これに関しては幅広い業種の企業が頭を抱えていて、もちろん調剤薬局でも同じようなケースが多いとされています。そこで今回は、中小規模の調剤薬局における後継者問題についてお話しします。

1.適役となる後継者が、親族に見つからない

事業承継の方法としては、家族・親族に事業を継がせる「親族内承継」と、親族以外の従業員や役員に任せる「親族外承継」が一般的だとされています。事業の引き継ぎには非常に適した方法だと考えられているものの、近年になって不安視されることが多くなりました。

親族内承継においては、引き継ぎに対応できる後継者が見つからない、ということが問題視されています。仮に経営者にリーダーとしての手腕があったとしても子供や孫も優れた能力を持つとは限らず、安易に任せて失敗するケースがあります。特に中小規模の調剤薬局に関しては、このようなケースが非常に多いです。

また、子供・孫の方でも引き継ぎを希望していないパターンが多いため、親族内承継は親にとっても子供たちにとってもデメリットが多い方法だともお言えます。

2.親族外承継のリスクが大きい

優秀な従業員や役員に経営権を譲る方法もありますが、こちらでは資金面の問題が生じてきます。

中小規模の薬局は、オーナーである経営者が株式を所有しているケースが多いです。引き継ぎの段階で後継者が株式を買い取る必要があるため、そこで莫大な資金が求められます。そのような理由から、いくら後継者側で引き継ぎを希望していても実現されにくい、という難点があります。

3.業界全体での存続が危うい

そのほかにも、調剤薬局業界自体の存続が危ういという問題点も否めません。

診療報酬改変による収益性の減少、追って薬局チェーンやスーパーマーケットとの併設店の台頭による競争激化などの理由から、調剤薬局の存続は今後ますます難しくなることでしょう。これらの現状を把握したうえで、親族内・外承継以外での引き継ぎを考える必要が出てきています。

以上、調剤薬局と薬剤師にとっての後継者問題についてお話ししました。親族や従業員に継がせる方法はもちろん有利ですが、今後の発展を考慮しつつ、改めて冷静さと客観視が必要になります。M&Aなどの可能性についても注目し、安泰かつ確実な方法を考えていきましょう。