長い間にわたって維持してきた企業は、オーナーや経営者がある程度の年齢に達した時点で引継ぎの必要性が生じてきます。これはどの企業や事業においても言えることであり、薬剤師が所属する調剤薬局でも同様です。

そこで今回は、薬剤師の後継者問題と調剤薬局M&Aの実現を可能にする計画についてお話しします。

・親族へ承継するケース

特に中小規模の薬局では、経営者がオーナーを務めている場合が多いです。その場合における事業承継の方法として、家族や親族に引き継がせる「親族内承継」があります。

経営者・オーナーの家族・親族に見込みがある子供や孫がいるのなら、彼らに事業の引き継ぎを任せる方法です。同じ家族・親族出身であるということで信頼関係が強く、何かあったときにアドバイスやサポートを求めやすいのがメリットだと言えます。

このような親族内承継は、現在ケースが少なくなってきてはいるものの、未だに幅広く支持されている方法です。

・親族以外に承継するケース

これに対し、親族以外の従業員に事業を譲る方法として、「親族外承継」があります。

仮に経営者・オーナーが親族内承継を希望する場合でも、引き継ぎを任せられるだけの優秀な人材がいないことが少なくありません。親が経営者だからと言って子供や孫に経営者としての素質が備わっているとは言い切れず、実際に事業を任せて失敗するリスクが否めない、というデメリットもあります。このようなリスクを受け入れるなら、長い間経営者と時間を共にしてきた従業員に仕切らせるほうが、企業や事業の存続につながるという考えもあります。

・親族内・外承継以外の方法も

事業承継の方法としては親族内・外承継が一般的ですが、最近はそれ以外の方法として「M&A」の注目度が高まっています。

薬局よりも規模の大きな企業に買収・合併を依頼し、経営権を譲る方法です。豊かな資本力と整備された就業環境で、薬局の存続が期待できると同時に従業員の満足度への貢献にもつながります。

実際、大手薬局の台頭や収益性の現象、競合の乱立など、調剤薬局を取り巻く環境は今後も厳しくなっていくことでしょう。そのような背景を考えると、より優れた経営能力を持つ企業からのサポートを得るほうが、得られるものが大きいと考えられます。

以上、薬剤師の事業承継計画についてお話ししました。大切な事業をより安泰に存続させるには、冷静な判断と客観的な視点が必要です。ぜひこの記事を参考に、将来性ある事業発展を実現していってください。